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高野聖その28
其後《そのあと》から爪先上《つまさきあが》り、軈《やが》てまた太鼓《たいこ》の胴《どう》のやうな路《みち》の上《うへ》へ体《からだ》が乗《の》つた、其《それ》なりに又《また》下《くだ》りぢや。
売薬《ばいやく》は先《さき》へ下《お》りたが立停《たちどま》つて頻《しきり》に四辺《あたり》を瞻《みまは》して居《ゐ》る様子《やうす》、執念深《しふねんぶか》く何《なに》か巧《たく》んだか、と快《こゝろよ》からず続《つゞ》いたが、さてよく見《み》ると仔細《しさい》があるわい。
作品:高野聖
作者:泉鏡太郎
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底本:「新編 泉 鏡花集 第八巻」岩波書店
2004(平成16)年1月7日第1刷発行
底本の親本:「高野聖」左久良書房
1908(明治41)年2月20日
初出:「新小説 第五年第三巻」春陽堂
1900(明治33)年2月1日
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:砂場清隆
校正:門田裕志
2007年2月12日作成
青空文庫作成ファイル:
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《》:ルビ
(例)参謀本部《さんぼうほんぶ》
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(例)柳《やな》ヶ|瀬《せ》では
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
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(例)※[#「さんずい+散」、36-13]《しぶき》
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(例)ばら/\と
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