×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

TOP

湖南の扇その3


作品:湖南の扇
作者:芥川龍之介



 僕はその何分か前に甲板の欄干《らんかん》へ凭《よ》りかかったまま、だんだん左舷《さげん》へ迫って来る湖南の府城を眺めていた。高い曇天の山の前に白壁や瓦屋根《かわらやね》を積み上げた長沙は予想以上に見すぼらしかった。殊に狭苦しい埠頭《ふとう》のあたりは新しい赤煉瓦《あかれんが》の西洋家屋や葉柳《はやなぎ》なども見えるだけに殆《ほとん》ど飯田河岸《いいだがし》と変らなかった。僕は当時|長江《ちょうこう》に沿うた大抵の都会に幻滅していたから、長沙にも勿論豚の外に見るもののないことを覚悟していた。しかしこう言う見すぼらしさはやはり僕には失望に近い感情を与えたのに違いなかった。




次へ


底本:「昭和文学全集 第1巻」小学館
   1987(昭和62)年5月1日初版第1刷発行
親本:岩波書店刊「芥川龍之介全集」
   1977(昭和52)年〜1978(昭和53)年
入力:j.utiyama
校正:柳沢成雄
1998年10月20日公開
2007年2月11日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。




-------------------------------------------------------
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)広東《かんとん》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)当時|長江《ちょうこう》に

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「さんずい+元」、第3水準1-86-54]江丸《げんこうまる》
-------------------------------------------------------



湖南の扇その1
湖南の扇その2
湖南の扇その3
湖南の扇その4
湖南の扇その5
湖南の扇その6
湖南の扇その7
湖南の扇その8
湖南の扇その9
湖南の扇その10
湖南の扇その11
湖南の扇その12
湖南の扇その13
湖南の扇その14
湖南の扇その15
湖南の扇その16
湖南の扇その17
湖南の扇その18
湖南の扇その19
湖南の扇その20
湖南の扇その21
湖南の扇その22
湖南の扇その23
湖南の扇その24
湖南の扇その25
湖南の扇その26
湖南の扇その27
湖南の扇その28
湖南の扇その29
湖南の扇その30
湖南の扇その31
湖南の扇その32
湖南の扇その33
湖南の扇その34
湖南の扇その35
湖南の扇その36
湖南の扇その37
湖南の扇その38
湖南の扇その39
湖南の扇その40
湖南の扇その41
湖南の扇その42
湖南の扇その43
湖南の扇その44
湖南の扇その45
湖南の扇その46
湖南の扇その47
湖南の扇その48
湖南の扇その49
湖南の扇その50
湖南の扇その51
湖南の扇その52
湖南の扇その53





【PR】ニュースに一言    時事ニュース