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湖南の扇その18
作品:湖南の扇
作者:芥川龍之介
「この三角洲《さんかくす》は橘洲《きっしゅう》と言ってね。………」
「ああ、鳶《とび》が鳴いている。」
「鳶が?………うん、鳶も沢山いる。そら、いつか張継尭《ちょうけいぎょう》と譚延※[#「門<豈」、第3水準1-93-55]《たんえんがい》との戦争があった時だね、あの時にゃ張の部下の死骸《しがい》がいくつもこの川へ流れて来たもんだ。すると又鳶が一人の死骸へ二羽も三羽も下りて来てね………」
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底本:「昭和文学全集 第1巻」小学館
1987(昭和62)年5月1日初版第1刷発行
親本:岩波書店刊「芥川龍之介全集」
1977(昭和52)年〜1978(昭和53)年
入力:j.utiyama
校正:柳沢成雄
1998年10月20日公開
2007年2月11日修正
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)広東《かんとん》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)当時|長江《ちょうこう》に
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「さんずい+元」、第3水準1-86-54]江丸《げんこうまる》
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